ある記憶の断片が現実なのか
はたまた夢なのか
よく区別がつかなくなることがある
これはあちら側のお話。。。
ある真夜中、散歩の途中で
空を見上げる鳥に出逢う
足元にはトロピカルなお花
感覚の中では真っ赤なお花
けれど視覚に色は映らない
すべてが真夜中の黒に近い藍色
パリンと音が鳴りそうな細い三日月に照らされて
輪郭だけがうっすらと光って見えている
「へびはもう冬眠に入りました」
「大地はこれから静寂の季節を迎えます」
「静寂の中から届くメッセージは膨大です」
「私はもうじき飛び立ちますが、
今はその静かに響く大地の声を聞いているのです」
と鳥が言う
「大地の声を聞いているととても落ち着くのです」
「ずっと空を飛んでいるのも疲れてしまうのでね」
と言って鳥はまた空を見上げた
私は黙って鳥と一緒に空を見上げた
星も見えない真っ暗な空に
吸い込まれそうになって
思わず立っている両足に力を入れた
。。。。。。
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